「声を出さないで英語を勉強している人の英語力はかわいそうなほど伸びません。」

と、尊敬する日本の通訳の第一人者國弘正雄先生のお言葉です。


だから、「音読」なのです。

でも、なぜ、「音読」なのか。


まず、言語は大脳の中のあるプロセスを使って理解されます。
何気なく使っている母語であっても同じです。

大脳の中には2つの領域に分かれた言語中枢があり、
それぞれ、「ヴェルニッケ中枢(言語理解領野)」と「ブローカー中枢(言語運動領野)」と呼ばれています。
ヴェルニッケ中枢では、見聞きした言葉が理解され、ブローカー中枢では、言葉を発する指令が出されます。


例えば、何かに書かれた、もしくは 聞いた言葉はヴェルニッケ中枢へ送られて理解されます。
それを今度は口に出して音声化しようとすると、ブローカー中枢へ伝えられ、音声という媒体を使用して
発信するよう指示を出します。
この循環を行わずにいるということは、「理解」はできるけど、音声言語化はできず、口からは発せられない、
ということです。


そのため、言語能力を蓄積するためには、この2つの中枢の連携を活性化し、
常に循環する回路を作ることが必須なのです。


子供が母国語を習得するときには、周りの人の言葉を聞き、それを口に出し、さらにそれを聞き、また繰り返す、とこの循環を自然と行う環境がありますが、外国語となると、日々の生活で、見たり、聞いたり、話したりするわけではないため、自然にはこの機能が働いてくれないのです。


この仕組みを理解すると、なぜ文法や単語は知っているのに話せないか、お分かりいただけると思います。

「英語が話せない」と思っている方の大多数は、ヴェルニッケ中枢までは指令を送っていますが、
ブローカー中枢までたどりつけておらず、「理解」で終わってしまっているのです。


例えれば、車の運転をしようとしているのに、運転方法の教本を読み理解するだけで、
実際に運転はしていない、という状況なのです。


では、英語の上達のためにできることは、

この2つの中枢の連携を常に活発にすること=「音読」なのです。


完璧な英語じゃなくていいのです、
まずは口に出すことが大切なのです。

「音読」始めてみませんか?



(参考文献: 國弘正雄・千田潤一「英会話・ぜったい音読 挑戦編」 講談社  )

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